第15回欧州英語討論会in グラスゴー&エディンバラ
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2024年11月、欧州英語討論会が2019年以来の復活を遂げました。アレクサンダー?マッコーレー教授と杉本康太講師の指導の下、数ヶ月の準備期間を経て、4人の学生がスコットランドを訪れ、プレゼンテーション、ディスカッション、特別セミナーからなる学術交流を行いました。このプログラムは今年で15回目になりましたが、欧州英語討論会が同じ国の2つの大学で開催されたのは2度目で、前回は2015年にイタリアで開催されました。今年はグラスゴー大学とエディンバラ大学の様々な学部との交流が行われました。
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経済学部の4人の学生は、グラスゴー大学のキャンパスツアーからスタートしました。グラスゴー大学は1451年に創立され、ケルビン卿、ジェームズ?ワット、アダム?スミスといった著名人を輩出した歴史を持ちます。設計者のジョージ?ギルバート?スコット卿にちなんで命名されたギルバート?スコット?ビルディングの周りを歩きながら、学生たちは19世紀後半におけるキャンパスの建設と歴史について話を聞きました。敷地内には、大学のシンボルマークとモットーであるVia, Veritas, Vita(道、真実、生命)がいたるところに掲げられていました。建物は1891年に完成し、象徴的な鐘楼はグラスゴーで最も有名なランドマークのひとつです。
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ツアー終了後、学生たちはグラスゴー大学の教員と学生を前に、「The Global Boom in Anime: Economic Aspects」と題したプレゼンテーションを行いました。 学生たちは、世界的な商品としてのアニメの台頭によってもたらされた経済的利益についての多くのデータを提示し、アニメ産業における人材育成をめぐるいくつかの問題についても考察しました。グラスゴーの聴衆からは、「アニメ産業は生成系AIという技術革新にどのように対応しているのか」という質問が提示され、プレゼンテーションは温かく受け止められました。このセッションの後、グラスゴー大学の学生とYNUの学生を対象に、教員による2つのショートレクチャーが行われました。まず、YNUのマッコーレー教授が「Transnational aspects in contemporary Japanese cinema」について講演しました。その後、『Pictures of the Mind: Surrealist Photography and Film
』の著者であるRamona Fortiade博士が「French and Japanese Surrealism」について講演しました。これは、岡本太郎の作品と哲学の分析、そして松本人志の映画『シンボル』についての考察を含むもので、フォルティアード博士は、彼の映画の評価は日本では低かったが、海外では高く評価されたと指摘しました。
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
午後は、Saeko Yazaki博士による「The historical connections between Japan and Glasgow/Scotland」についての講義を受けました。講義では、明治の産業改革に貢献したスコットランド人について触れられ、その中には、後に東京大学工学部となる帝国工科大学を創設したヘンリー?ダイヤーも含まれていました。また、1872年に岩倉使節団がスコットランドを訪れたことや、長州ファイブの山尾庸三がグラスゴーの造船所で丁稚奉公をしたことについても言及されました。また、トーマス?ブレーク?グラバーがスコットランドと日本を結ぶ初期の「かけはし」として果たした役割など、その他にも多くのつながりが紹介されました。
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週の後半、参加者はエディンバラ大学に移動しました。今回もまた、世界的なアニメ?ブームについてのプレゼンテーションを行いました。エディンバラ大学アジア研究科日本語学主任のFumiko Narumi-Munro先生のプロフェッショナルな司会で、約40人の教員と学生が英語と日本語を織り交ぜながら、本格的な異文化交流を行いました。世界的なアニメブームから生じる問題のひとつに、日本が現在経験しているオーバーツーリズムがあります。エディンバラの学生たちは最近このテーマについて調査しているため、YNUの学生は日本への観光客の流入を規制することの是非を議論するディベート形式のセッションにも参加しました。
マッコーレー教授は、杉本康太講師とYNUの学生たちのアシストを受けて、「Writing Japan in Transnational Cinema」というテーマで日本語による講義を行いました。この講義では、ヴィム?ヴェンダース監督による2024年のアカデミー賞ノミネート作品『パーフェクト?デイズ』のように、多くの外国人脚本家が日本の脚本を書くようになったことで、日本人によってのみ語られる物語としての日本映画の歴史的理解がどのように問題化されているかについて概説しました。 このセッションの後半では、学生たちがYNU-UEのチームに分かれ、日本を舞台にした「トランスナショナル」な映画のアイデアを考えるというインタラクティブなワークショップを行いました。
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エディンバラでの最終日には、日本国総領事館を訪問しました。領事館の佐藤空氏のご好意により、YNU一行は石井みのり首席領事からスコットランドと日本の経済?貿易関係についてお話を伺いました。ウイスキー、エレクトロニクス、エネルギーの交流が盛んであること、風力発電におけるスコットランドの成功が日本の関心を集めていることなどを聞きました。YNUグループは多くの質問をし、経済学の分野で勉強を続ける上で貴重な知識を得ることができました。
グラスゴーとエディンバラでは、グラスゴーの市庁舎、ケルヴィングローブ美術館、エディンバラ城などの文化史跡を訪問しました。また、ハイランド地方を訪れ、スコットランドの歴史について話を聞くこともできました。さらにスコットランドの学生がYNUの学生たちを文化?歴史ツアーに案内し、その後社交の場でよりリラックスした異文化交流が行われました。
グラスゴーとエディンバラでは、グラスゴーの市庁舎、ケルヴィングローブ美術館、エディンバラ城などの文化史跡を訪問しました。また、ハイランド地方を訪れ、スコットランドの歴史について話を聞くこともできました。さらにスコットランドの学生がYNUの学生たちを文化?歴史ツアーに案内し、その後社交の場でよりリラックスした異文化交流が行われました。
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第15回欧州英語討論会は、グラスゴー大学とエディンバラ大学のパートナー校の綿密な準備、運営、そして丁重なホスピタリティのおかげで大成功を収めることができました。YNUの国際教育関係者一同、深く感謝申し上げます。
欧州英語討論会は経済学部の「Global Studies in Economics(経済学部海外学修プログラム)」の一環として2006年から開催されています。2013年にはグラスゴー大学が、2011年にはエディンバラ大学が開催地となりました。このプログラムでは現在、18カ国27大学を訪問しています。Fumiko Narumi-Munro先生とその同僚の方々のご尽力とホスピタリティのおかげで、10年以上経った今回の欧州英語討論会の2度目の訪問が実現したことに、私たちは大変感謝しています。
スコットランドへの滞在により、学生たちは友情を育み、様々な学術的、文化的、社会的な場面で、文化を超えてコミュニケーションをとり、言葉を交えることができました。私たちは、「海外で能力を発揮できる学生を育てる」という使命を実現することができたと確信しています。
欧州英語討論会は経済学部の「Global Studies in Economics(経済学部海外学修プログラム)」の一環として2006年から開催されています。2013年にはグラスゴー大学が、2011年にはエディンバラ大学が開催地となりました。このプログラムでは現在、18カ国27大学を訪問しています。Fumiko Narumi-Munro先生とその同僚の方々のご尽力とホスピタリティのおかげで、10年以上経った今回の欧州英語討論会の2度目の訪問が実現したことに、私たちは大変感謝しています。
スコットランドへの滞在により、学生たちは友情を育み、様々な学術的、文化的、社会的な場面で、文化を超えてコミュニケーションをとり、言葉を交えることができました。私たちは、「海外で能力を発揮できる学生を育てる」という使命を実現することができたと確信しています。
(担当:経済学部)